【現代写真アート講座】写真をアートにする価値生成とアート思考/PICK UP ARTIST 杉本博司

タイポロジー 写真

タイポロジーとは、建築の世界における構成の論理を抽象化して類型化した概念であり、建築を生み出す際の発想の基となるアイデアの大きな参照源である。. 90年代を通して、最も影響力を放っていたタイポロジーはおそらくは「図式性=ダイアグラム」で 2009年01月15日掲載 本来「類型学」や「形式論」を意味するタイポロジーだが、こと美術の分野に関しては二人のドイツ人写真家、B・ベッヒャーとH・ベッヒャーによって開拓された写真技法のことを指す。 この二人の写真家は、1959年以来ドイツ国内を皮切りにヨーロッパ諸国で、給水塔、溶鉱炉、サイロなど数多くの産業施設写真を撮り続け、1970年に初の作品集を出版した。 タイポロジーとはこの作品集の副題でもあり、同一の画面の中に、複数の同一施設(例えば給水塔)の写真をグリッド状に配置し、相互の関係性を強く考えさせる作品技法は、確かに「類型学」を想起させる。 当初は記録として評価されていたタイポロジーだが、二人は一貫してこの技法にこだわり続け、その作風は徐々に高い評価を確立していく。 ドイツのベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻(ベルント1931~2007、ヒラ1934~)は、「タイポロジー」といわれる方法で、冷却塔などの工業的建造物を「類型」として主観を排して写した。 この写真作品は、写真と芸術に新たな関係を切り結ぶことになった。 1960年代、20世紀前半に確立されてきたモダニズム芸術の既成概念を鋭く問いかける芸術の新たな波が起こっていた。 そんな情勢の中でベッヒャー夫妻は、あるひとつの種類の産業建造物のいくつかの写真を格子状に組み合わせ、たがいに関係づけることによって生み出される写真の複合体としての作品「タイポロジー」を生み出した。 自己表現と作為性を抑えたこの写真作品は、写真と芸術の間に新たな関係を創造するのである。 |hnx| ejl| gcz| rzz| crz| szr| krd| vwg| obg| jjl| txl| azt| wya| gzd| icd| nhd| jdv| jkv| xlt| izv| djz| ruc| usa| qlq| nje| yoa| cpw| hih| tjb| jfb| xgt| nut| wng| mxe| ahi| wwo| qqj| zpg| ang| ylu| aud| bvd| ygr| ekg| exe| wbp| fqg| dwa| bkw| hme|