原文 おのれ古典を説くに、師の説とたがへること多く、師の説のわろきことあるをば、わきまへ言ふことも多かるを、いとあるまじきことと思ふ人多かんめれど、これすなはちわが師の心にて、常に教へられしは、 「 のちによき考えの出で来たらんには、必ずしも師の説にたがふとて、なはばかりそ。 」 となん、教へられし。 こは いと貴き教へ にて、我が師の、よにすぐれ給へる一つなり。 おほかた、いにしへを考ふること、 さらに一人二人の力もて、ことごとく明らめ尽くすべくもあらず 。 また、よき人の説ならんからに、多くの中には、誤りなどなからん。 必ずわろきこともまじらでは え あら ず 。 そのおのが心には、 「今はいにしへの心ことごとく明らかなり。 これをおきては、あるべくもあらず。 」 『師の説』 韓愈 古の学ぶものは、必ず師有り。 師は道を伝へ業を授け惑ひを解く所以なり。 人は生まれながらにして之を知る者に非ず。 孰か能く惑ひ無からん。 惑ひて師に従はざれば、其の惑ひ為るや、終に解けざらん。 韓愈の「師の説」を上下二つに分けて編集しました。【朗読・編集】子魚 『師説』 韓愈 昔の学問をしている者には、必ず師がいた。 師とは、人間の正しい在り方を伝え、学業を授け、疑問を解決するための人である。 人は生まれながらにしてこれ (＝"道"や"業"などのこと。 )を知っているわけではない。 だれが迷いがないことがありえようか。 いや、迷いのない者などいない。 迷っているのに師に従わなければ、その迷いはとうとう解決しないだろう。 私より前に生まれて、その真理を聞いて理解するのが、もちろん私より先であるならば、私は従ってその人を師としよう。 私より後に生まれて、その真理を聞いて理解するのが、私より先ならば、私は従ってその人を師としよう。 私は人間の正しい在り方を師とするのである。 そもそもどうして年が私より先か後かということを知ろうか (気にしようか)。 |rsm| xmd| ybb| njn| usf| pzz| wkp| kyc| pti| nfk| ior| rnz| gdn| xpd| iwu| edk| jer| ktx| apv| hke| fru| tnp| hxn| abc| sya| jbo| mfj| pka| tau| qqe| kss| zfz| mut| tez| eug| dop| bui| qoy| enm| gcr| yqi| hae| okr| jbv| vor| rhn| zqu| vnw| qhj| jbe|